個人名の五十音順電話帳「ハローページ」が2023年になくなるのだそうだ。

ハローページ終了へ 個人電話帳、130余年で幕 【朝日新聞デジタル 2020年6月19日】
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https://www.asahi.com/articles/ASN6L6RD7N6LULFA01X.html

電話帳広告は、少し前まで効果のある媒体だった。平成23年3月現在と、すこし古いデータしかないのだけど、全国でタウンページ(職業別電話帳)が約4,751万部、ハローページ(個人名の五十音順電話帳)が約4,436万部もの発行があり、常に必要な時に消費者の身近にあるものだったのだ。実際に商品やサービスを探す場合に使用する広告媒体で、PR効果を飛躍的に向上させるものだった。

広告料金もけっこう高くて、1ページの広告の場合、掲載エリアの人口が100万人だと、月額20万円くらいもした。

今回廃止されるのは個人名の五十音順電話帳「ハローページ」だけで職業別電話帳の「タウンページ」は存続するようだが、職業別電話帳にはまだ少しは広告媒体としての価値が残っているのだろう。

20世紀には、子どもが急な病気になったときとか水道が壊れたとき、引っ越し屋さんを探すときなどには、まず最初に頼りにするのが電話帳だった。いまなら「高島平 小児科」と検索するのが電話帳だったのだ。いまでも超高齢者は頼りにしているのだろう。引っ越しで有名なアート引越センターの社名は職業別電話帳で、最初に掲載されるために選ばれたのだ、というエピソードを知っている人もいるかもしれない。

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「タウンページ」は、なにせ4,751万部もの発行部数を誇る大出版メディアである。一般的に日本で一番発行部数が多いとされているのはJAF(日本自動車連盟)の会員に年10回送付する会員誌「JAF Mate(ジャフメイト)」で、2020年2・3月号の実績で12,796,800部と公表しているから、4000万部以上の「タウンページ」には遠く及ばない。「タウンページ」はいまでも日本最大部数である。固定電話に加入していない世帯にも無料でポスティングされるから、日本最大のフリーペーパーと言えるかもしれない。
でも、これからどんどんこの広告価値は下がっていっていずれはゼロになることは明らかだ。NTTは「iタウンページ」というウェブサイトを立て、SEOに強いということを売りに営業しているみたいだ。広告やウェブサイトのプロは揺るがないけど、中小の商店やクリニックの人はついつい頼んじゃうんだろうね。

(参考:NTT タウンページのウェブサイト)
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https://itp.ne.jp/tpclub/web/

「タウンページ」もいずれなくなっちゃうんだろうね。超高齢者向けの仕事が来たら最後にいっぺん提案してみようと思っているんだけれど、なかなかそういう仕事はやってこない。