家庭用の電化製品がどんどんインターネットにつながるようになってきている。大手で一番力を入れているのはシャープだ。
20200209Sharp01
https://cocoroplus.jp.sharp/products/

テレビはもとより、電子レンジから冷蔵庫、洗濯機に至るまでネットに接続する事ができるようになっており、他社も少しずつだけれど追随している。(例:パナソニック https://panasonic.jp/pss/

家電製品がネットにつながり、その都度ログが取れることは、メーカーにとっては重要な意味がある。
この洗濯機は週に何度くらい使われているのか、
設定は初期設定のまま使われているのか、
洗濯が終わったあともう一回脱水をする人はどのくらいいるのか、
乾燥機付きの機種であればどのくらいの頻度で乾燥機能を使っているのか、、、ということを、メーカーはリアル・タイムで知ることができる。

「洗濯」「乾燥」といった特定機能を印刷した物理ボタンを廃止してタッチ・パネルにすることができれば、ユーザーにもメリットが有る。メーカーからネット越しにファーム・ウエアをダンロードして書き換えることができれば、新たな機能がこのハードウエアに追加されたときに、これを使うことができるようになる。たとえば、全く新しい洗剤が発売されて洗濯時間やすすぎ時間をこれに合わせる必要が出たとき、これにすぐに対応することができる。最近は、すすぎが一回でいい洗剤とか「ジェルボール」のような新しい洗剤が時々発売されている。

電子レンジのような調理家電なら、料理の流行の変化に合わせることができる。流行が「ゆるふわ」から「外がカリッ、中はしっとり」に変わったら、それに合わせた調理法をダウンロードすることによって加熱時間や加熱法が変わったメニューを使うことができるようになる。

もちろん「オッケー、グーグル、電気を消して」っていうのも、ネットに照明機器がつながっていないと動作しない。

自動運転なんてIoTの最たるもので、あらゆる情報を瞬時にネットからインプットした上で自動運転は行われる。

これは、逆手に取るとIoTはものすごい武器にもなりうるのだ。
私があなたの家の照明をかってに点けたり消したりするくらいならまだ良いけど、
要人の乗った自動車を高速道路で制御不要にしてしまうこともできるし、巡航中の飛行機を落とすこともできてしまう。
いま、アメリカが5Gの交換機から中国企業を排除しようとやっきなのはこのポイントで、この先ネットにつながらざるを得ないさまざまな機器のリアル・タイム・データが万が一何を仕掛けてくるかわからない中国やロシアに漏れないように必死なのだ。

ネット上の私の行動がダダ漏れになってGoogleやFacebookが私のこと私以上に知っているのにはもう慣れきってしまって、どうでもいいや、と思ってきたけれど、これがハードウエアにも及ぶとすると、ちょっと次元が違うよね。
今年から順次5Gのサービスが始まるということで、私はそれを心待ちにしているけれど、セキュリティ強化のせいで全然便利にもならないのだとしたら、それも困るしね、だなんても思う。