東京から大阪に移動。
大阪に着いたら雨は上がっていて、曇り。

20111111


日本政府はTPP交渉への参加表明をし、記者会見で首相は「関係国と協議」という表現をした。この曖昧な表現は、本当にどうかと思うが、僕が気になったのは別の部分である。
首相は「「貿易立国として築いた現在の豊かさを次世代に引き継ぐには、アジア太平洋地域の成長力を取り入れていかなければならない」と発言した(http://www.nikkei.com/access/article/g=9695999693819481E3E3E2E1888DE3E3E3E3E0E2E3E39F9FEAE2E2E2 などによる)のだが、「現在の日本は貿易立国ではない」のに、「現在の日本『も』貿易立国だ」と思う人もいるんじゃないか、と思ったのである。

「貿易依存度」という数字がある。年に一度、世界銀行が発表しており、現在の最新の数字は2009年のもの。

20111111Trading

http://www.globalnote.jp/post-1614.html


この数字は (輸出額+輸入額)÷GDP というもの。
各国がどのくらい貿易に依存しているのか、という実に単純で明快な数字である。

日本は、
2009年は調査対象178カ国のうちしたから4番目の175位、22.32%。
前年の2008年は183カ国中178位、31.6%。
その前の年の2007年は185カ国中179位、30.52%。
日本の貿易依存度は極めて低いのである。


この数字は、関税を無税にするようなフリーポートを抱える小国ほど上位になる。
最近の上位は香港、シンガポールなどが占めている。
反対に生産力と消費力の強い大きな国は下位になり、
アメリカは日本よりも下位の177位、18.66%。
フランスは149位、38.72%。
中国は133位、44.96%。
ドイツは89位、61.32%。


現状の日本は、貿易立国ではない。
それだけに伸びしろもあるのだ。
だから、貿易条件を向上させる機会を逃してはならないのだ。

多分、ほとんどの日本国民は小学校の時に「日本は貿易国」と教わったはず。「資源のない日本は原材料を輸入し、これを加工することによって成り立っている」と。多分、多くの人々の中にこれが残っているのではなかろうか。
時代は急速に、大きく変化している。子どもの頃に教わったことで、今や正しくないことがいっぱいある。気を付けないと。