20150523

大企業を辞めてから、予算の少ない中小企業のマーケティングに関するご相談を受ける機会が増えた。
多くの中小企業担当者は「大手と同じことをやっていても物量にまさる大手に対して勝ち目がない。なので、自分たち独自の手法を開発したい」とおっしゃる。たしかにそのとおりなのだが、これではデータを活用したマーケティング手法は使えない。
データ・ドリブン・マーケティングは、ごく普通の手法をきっちりやった結果、他社とどうちがうのか、どこが強いのか弱いのか、を見定めた上で初めて使えるものなのだと実感している。

いつでも他社のやらないような「からめ手」の手法を使って「これは効果がある」「これはダメだ」と判断を積み重ねていっても、他に比較するべきものがないものだから、結局勘に頼った判断しかできない。「この手法で100個売れた」「この手法では5個しか売れなかった」と言っても、手法が良かったのか、表現が良かったのか、たまたまマーケットのタイミングが良かったのか、判断がつかない。その結果、手法の効果があったなかったかを感覚で判断するしかなくなってしまう。

もし自社のデータだけで判断するのなら、自社のデータが十分に大きくないと判断できない。1日に10や20のアクセスしかないウェブ・サイトでは、何が良くて何がダメなのかの判断はつかないのである。

中小企業が「大手のやっていない、自分たち独自の手法を開発したい」と思う気持ちは十分に理解するけれども、その前にまずはごくごく普通の手法をきっちりやっておかないとデータを活用できないのだ。他と同じ手法しかしないのは不安だろうし、担当者は怠けているような気持ちになるかもしれない。でも、まずは基本通りの手法はやらねばならない。

外国のソリューションは、日本のマーケットだけでなくて外国のマーケットでいろいろ試してベストと思われることが実施できるようになっている。自社が試す前に様々なトライ&エラーが繰り返された結果、日本でも販売している物がほとんどだ。「自分たち独自」の道を探る前にこのソリューションを素直に受け入れて、このソリューションの仕様通りの活動を納得いくまで繰り返して、データを十分貯めてから「自分たち独自」の道を探したほうが、結局早いしムダがないし、効果的だと思うのだ。