道路交通法の改正が国会を通り、2年以内には施行されるようだ。

認知症患者の運転免許返上、悩む家族 改正道交法が成立

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この改正内容には、認知症の疑いがある75歳以上の運転免許所有者に医師の診断を義務づけ、発症していたら免許を停止か取り消すことを盛り込んでいるのだそうだ。

私の両親は今長野県松本市に住んでいる。街の真ん中であるが、クルマが無いと生活できない。
近所にあったダイエー系のスーパーが何年か前につぶれ、徒歩圏にあった西友とイオンが両方とも改装工事に入ってしまい、今年の3月以後はいちばん近いスーパーが徒歩20分、老人だと30分はかかってしまう松本駅前のイトーヨーカドーになってしまった。
徒歩圏に映画館があって、週に一本は映画を楽しみにしていたのだけれど、残念ながらこれもつぶれてしまい、映画を見るならタクシーで映画料金の何倍も払わないといけない郊外のシネコンに行かねばならなくなった。なので、最近は映画もほとんど行けないみたいである。
父は本屋が大好きで、歩いて行けるTSUTAYAの本売り場では納得できないので、本屋に行くなら松本駅前の丸善か、それよりちょっと手前のPARCOの本屋さんしかない。最近は松本駅前まで夫婦でタクシーで行って母はイトーヨーカドーで食品を買い、父は本屋を見て、重い荷物を「よっこらせっ」とタクシーで持って帰ってきているようである。

父はもともと車の免許を持っていたけれど、引っ越した先から徒歩でスーパーにも映画館にも本屋にも行けるので免許証を返納してしまった。でもあいつぐお店の閉鎖で大変不便なことになっている。買い物難民への仲間入りである。

逆に車の運転ができれば、どこにも10分とか15分以内に行けるし、各施設にはたっぷり駐車場があるので、とても便利。
田舎ではクルマがあること生活の前提になる。

たしかに認知症の人が車の運転をしているのはとても危険なことだと思う。でも、認知症でなくても車がないと生活できないので、田舎の年寄りは死ぬまで車を運転し続ける。運転している最中に死んじゃう、なんてこともいくらでもあり得る。
田舎で年寄りから車の免許を取り上げるということは「死ね」「生活するな」と言っているのと同じなんである。
地域創生、けっこうなことだけれど、必要な時に車の運転を代行してくれるサービスとか、車で買い物の送り迎えをしてくれるサービスとかを実施してくれないと、いまに田舎の年寄りはみんな餓死してしまうぞ。