今週は「和製英語でビックリ」の週だった。
まず最初のビックリは「マリン・ライフ」事件。
ある地方自治体のプロジェクトである。私が手伝うようになったのは最近のことだが、この地方都市は海辺にあって、マリン・リゾートも充実している。国際空港からも割と近くて東南アジアなどの観光客もねらえるということで、これから夏に向けて国内だけではなくて、英語のオンライン広告をアジア向けに展開することになっている。
これまで日本語の書類をずっとチェックしてきて、自治体内の検討が終わって了承を得られたので、今週は英語版の資料が届いた。
日本語版には何回も「マリン・ライフ」が出てきたのだけれど、日本語ではこれで十分意味が通るので、いっぺんも指摘しなかった。でも「マリン・ライフ」が英語版でも「marine life」になっていた。
「おいおいおい!!!」
英語の「marine life」って「海洋生物」っていう意味だよ。

さっそく代理店の担当者に連絡を取って「これ修正しないとやばいよ、The resort at seasideとか……」と言ったら時すでに遅し。もう「Enjoy! MARINE LIFE」っていう英語の文言でJRの看板を発注済みで、これは修正できないんだって。
「楽しめ!海洋生物」
この夏、JRの駅でこの看板を見たら、この時の話だったということで……。
次に「テンション高いっすね〜」事件。
英語が相当できる日本人とアメリカ人のミーティングに立ち会った。アメリカで人気が出始めているサービスの売り込みを日本の会社にしたいというので、付き合ったのである。
なんとしても売り込みたいアメリカ人は、冒頭から猛烈な勢いで自己紹介をし、サービスの紹介をした。気圧された日本の人が言ったのが「Oh, you have high tension!」
「おいおいおい!!!」
この英語の意味は、そうだなぁ、「いや〜、肩凝ってるね〜〜〜」とか、そういう感じ。日本人の彼が言いたかったのは「いや〜、テンション高いっすね〜」だったと想像される。バラエティ番組で芸人がよく使う表現ね。
そのくらいそのアメリカ人の「テンション」は高かったんだけどね(笑)。
「テンション高いっすね〜」って英語ではなんて言うんだろう? 私には思いつかないんだけど、「You are hyper」とかかなぁ。甘っちょろい?(笑)
最後は小ネタ。「セレブ」。
最初に書いた「マリン・ライフ」の企画書(日本語版)にあった「セレブなM2層をコア・ターゲットにしたプロモーションを展開します」の「セレブ」が「celebrity」と訳されていた件。これは、修正した。
「celebrity」は「有名人」という意味。でもここでの意味は「お金に余裕のある人」という意味。「celebrity」だと、お金がまだ稼げていない新人女優なんかでも有名であれば意味するけど、日本語版の意味は違う。
「マリン・ライフ」「テンション」「セレブ」。和製英語ってすごいなぁ。たまたま私は今週この3つに気がついたけど、実は僕の中に浸透していて本当の英語だと信じてしまっている和製英語があるんじゃないかと、内心恐くなっている。