
先日ある外国企業と日本企業をつなぐ役目をした。日本企業の側にはとても英語の堪能な人がいて、その後は直接コンタクトしてもらっていいや、と思ったので、そうしてもらっていた。
外国企業の方から「日本企業から届くメールの意味がわからない。何を言いたいのか理解できない」と言ってきたので、転送してもらった。
それを見て瞬時に理解した。日本語の文章をそのまま英語に訳して送っていたのである。
最初に時候の挨拶があって、その後の構成が起承転結になっていて、まず前段で状況の確認、次に日本企業の社内事情に関する記述、そして競合他社からも競合商品の売り込みを受けていること、そして最後に結論として結論が出るのには相当時間がかかるので相互の連絡は継続しましょう、というようなことが大変遠回しに書いてあるのである。
日本企業の英語の堪能な人に連絡してみたら「ズバリそうなんです。メールが英語の論理で書けないんです。上司の書いた日本語の文章を忠実に訳さないとオッケーが出ないんです」とのこと。
結局、外国企業側が、煮え切らない態度にイライラして商談先リストからこの会社を削除してしまい、今後この日本企業側からアプローチがあったとしても受け付けない、ということになってしまった。
遠回しな表現は日本の美徳かもしれないけれど、特にインターネットのビジネスなど、スピードと明確さを要求する仕事では、遠回しな表現は嫌がられるし、いつになったら結論が出るのかわからないと、もっと早い結論が得られる所にフォーカスするようになってしまう。
今回の元凶は「日本語の文章を訳したものじゃないとダメ」ということであった。
日本企業の担当者も「こんなんじゃダメってわかってるんですけどね」と言っていた。言ってるだけじゃ、せっかくのビジネスも潰してしまう。もうちょっと勇気をもって「こういう交渉の方がいい」と進言できればいいのだけれど、、、ね。