昼間は台風の影響か、CS放送も満足に映らない荒れた天気。


夕方からは雨も上がった。
夜遅くは六本木で会食。
こちらの食事が終わった深夜の時間になって、有名プロ野球投手と、OBで今は評論家をやっている人の二人が入ってきて、隣のテーブルに座った。
私たちはデザートの段階に入ってゆっくりしていたので、ついつい隣の話に耳を傾けてしまった。
このプロ野球選手はいま二軍に落ちて調整中のようである。二軍戦ではまずまずの結果を出しているので二軍監督からは「いつでも上がれるぞ」と言われているのだが、一軍の試合でボッコボコに打たれる夢を毎晩のように見て、こわくて自分からは「上にあげてくれ」とは言えないのだそうである。
この選手へのOBのアドバイスが実に良かった。
「○○君は、エースとして戻ろうとしちゃうからプレッシャーが掛かるんじゃないのかな。○○君は中学の時からずっとエースだからしかたがないかもしれないけどね。今のチームにはA君もB君もいるじゃない? A君もB君も打ちのめさないとエースにはなれないけど、今の自分にはそこまでの力がないと思ってるでしょ? 僕もそう思う。でも、チームの三番手になる気だったら簡単じゃないか。C君、D君よりは今の○○君のほうがよほど良い球を投げてるよね。一軍でレギュラーすれすれってことはないよね。居場所があるんだから、三番手としてバッチリ仕事をする、っていう風に考え方を変えられれば、あと何年でもできるんじゃないかなぁ」
多分、スポーツ選手としては当たり前の話なのかもしれないけど、なんかビジネスの話に結びつけてしまった。
プロ野球だと先発投手には5つの席が用意されているようだけれど、ビジネスではそんなにたくさんの席があるケースはあまりない。でも、2つとか3つならあるケースがありそうだ。
いつもトップじゃないと意味がないような気がしていたけれど、でも2位とか3位とかのポジションがあるんだよね。
あるメーカーの「2位根性」が嫌で嫌でしかたなかったことがある。いつも1位の顔を伺って1位が新たなキャンペーンを実施すればそれと同じようなことをするように言ってきていた。ウェブ・サイトに新コンテンツが公開されたら同じようなコンテンツを制作するようにオーダーされた。
でも、考えてみれば「万年2位」という安定したポジションが約束されているのならば、これはこれで有りだよな、なんて考えてしまった。
全部を全部マネしちゃえば1位の会社の優位性を潰していくことになるもんね。