東京地区の百貨店が好調だそうだ。
原因としては中国人観光客の爆買いだと言われているけれど、百貨店の広報担当者何人かにお話を伺うと、別に爆買いで一店舗の売上を支えられる程ではないので、やはり日本人の消費が戻ってきているのだという実感なのだそうだ。

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日本百貨店協会 百貨店売上高

この統計を見ると、百貨店が好調なのは外国からの観光客の多い東京地区と京都地区だけで、それ以外の地域、特に10大都市以外は軒並みマイナスなので、確かに中国人の爆買いが大きな影響を与えているように見ることもできる。しかし、都市ごとの経済状況の統計と合わせてみると、必ずしも中国人の影響ばかりとも言えない。

そもそも百貨店に行く理由がない。ほとんどのものはネットで買えてしまうし、家電量販店や最寄りには大型スーパー・マーケットやショッピング・モール、アウトレット・モールもたくさんある。
「宝石や高級時計を買うなら、信頼のおける百貨店」「百貨店にしか入っていないブランドの洋服がどうしても欲しい」というような、ちゃんとした理由がないと百貨店になんか行かない。

百貨店は百貨店なりに、家電量販店は家電量販店なりに、「その店に行く理由」と作ってあげないと、お客は来てくれない。
なんらかの付加価値である。

たとえば家電量販店のうち何社かでは有料の保証制度がある。これは、たとえばメンバーシップに入るとか、購入価格の5%を支払うとかして有料保証を受けると、メーカーの1年保証にプラスして5年間とか3年間とかの保証が得られ、その対象もブルーレイ・レコーダーのハードディスクとか洗濯機のモーターなど、メーカー保証では対象外にしている部品も対象となる。
こういうのをもっとアピールしていけばいいと思うのだが、量販店でこういうのを勧められたことはないよね。

消費はあいかわらず冷え込んだままだけれど、人は喜んだ分だけ、楽しんだ分だけお金をくれるのだ、と思うことにしよう、と決めた。
洗濯機なんてネットでも買えるしそのほうが安いけど、据え付けまでやってくれる家電量販店の方がいいとか。そのためならお金は払っていただけるのだと。

こう思うことにしたのだ。