紀伊國屋書店新宿南店の日本語の本の売場がなくなってしまって、洋書売場だけになると聞いたので、久しぶりに行ってみた。

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紀伊国屋書店、新宿南店を大幅縮小 7月下旬 (日本経済新聞社、2016年5月13日)

このお店ができたのはつい最近のような気がしていたのだけれど、実は1996年。タカシマヤタイムズスクエアの完成とともに開店していたのだった。ああ、もう20年。20年賀あっという間のことに感じるというのは高齢の末期症状だわ。まずい。

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ここには、紀伊國屋サザンシアターもある。紀伊國屋書店創業者の田辺茂一さんが演劇に力を入れていて、紀伊國屋書店では紀伊國屋演劇賞を主催し、新宿東口の紀伊國屋ホールと、この紀伊國屋サザンシアターと劇場を2か所経営しているのである。

なくなっちゃうと悲しいな、とは思うのだけれども、実際にはあんまりこの店舗には足を運んでいない。
便利で大好きだった渋谷の東急プラザの紀伊國屋書店渋谷店がビルの建て替えにともなって閉店して以来、そもそも紀伊國屋書店に行かなくなっちゃった。やっぱり本屋は駅のそばじゃないとなぁ。最近は恵比寿の駅ビルにある有隣堂とか有楽町の駅前の三省堂書店、東京駅の前の丸善ばかりに行っている。
池袋の西武百貨店のLIBROの跡地に三省堂書店ができたけれど、ここは照明が嫌いで行っていない。低い位置から本にスポットライトが当ててあって、気になる本を手に取ろうとすると自分の影にその本が入ってしまい、見づらい。

少し前に高田馬場の芳林堂書店がつぶれてしまったけれど、大型書店の閉店が相次いでいる。駅前のパパママ書店は淘汰されてしまってもしかたがないな、と思うけれど、大型書店の閉店はインパクトが大きいなぁ。本はネットで探す時代になったんだよなぁ。

紀伊國屋書店新宿南店の跡地にはニトリの入居が噂されている。

ニトリ、紀伊国屋書店・新宿南店跡地に熱視線
大家の高島屋と賃料を巡り、ギリギリの交渉 (東洋経済、2016年5月17日)

家具のような、実際に見ないと買いたくないものはやはり店舗なのだろう。三越が新宿から撤退した時に跡地が大塚家具になったこともあったよね。
オンラインで買えるものは何でもオンライン、という風になるのであれば、街から店舗がなくなってしまう。お店のない街って、なんか寒々しいなぁ。
これまでも考えてきたけれど、これからも「店舗のある意味合い」を考えていきたい。そのためには本当は「店舗の中の人」になってみて、人々が店舗に求めることと求めないことを肌で理解するようにしたいなぁ。