もとホリプロの関連会社のホリ・エージェンシー所属のアイドル・ユニットのメンバーで、最近ではシンガー・ソングライターとしての活動をしていた女性が、よろしくないファンの怒りを買って、ライブ・ハウスの入口で刺されるという悲しい事件が起こった。

アイドル20カ所刺され心肺停止 ファンの男を逮捕
日刊スポーツ

被害者の女性はすでにアイドル・ユニットは脱退して、ソロで音楽活動をしているようだが、今回のファンの男はアイドル・ユニット時代からの、問題のあるファンのようだ。

20160522_Amazon

最近の日本の地下アイドルは、とにかく売上至上だそうである。
CD1枚買うとメンバーと1回握手できる握手会のシステムはAKB48グループが確立したが、最近では「○○枚買うとメンバーとお茶」みたいなのまで出ているそうである。
彼女たちの日常は
・毎日かわいく見えてインパクトのある写真を撮ってブログとSNSに上げ、
・太いファンには営業電話や営業メールをし、
・イベント出演に勤しむ
というものである。
「ん? 営業電話?」……そうなんである。やっていることはキャバ嬢と変わらない。キャバ嬢の皆さんも夕方になると営業電話やメールで馴染客に「同伴して」「お店に来て」と連絡する。太いお客には「同伴」してもらったり、お店が終わった後「アフター」と称する店外デートをしたりする。
アイドルもキャバ嬢も、いずれも擬似恋愛の世界なのである。

しかし、キャバ嬢の世界では今回のような刃傷沙汰はほとんど聞かない。キャバ嬢の世界はすでに確立したもので、お客の方も擬似恋愛だってわかっているから、こういう事態にはならない。
地下アイドルは、メジャー・アイドルと違い、事務所などの守ってくれる組織がない。事務所がセキュリティのしっかりした不動産物件を用意してくれるわけでもなく、移動者が用意されているわけでもないから、定収入でも入れるアパートに住んで、電車で現場に向かう。でも、それはキャバ嬢も変わらない。
今回の犯人は27歳だそうである。過去にもいろんな女性に嫌がらせをして警察に注意されるような問題人物だったようである。彼は、プレゼントした時計を返送されたり、Twitterをブロックされたりしたことで逆上してしまったようだ。
今の20代は、残念ながら疑似恋愛には慣れていない人が多い世代のようだ。すぐに思いつめる。ギリギリまでいく。

大変残念だが、このような人々がお客なのであれば、疑似恋愛行為も方法を考えないといけない。自分を守るのは自分のみ。誰も守ってくれないよ、警察も含めて。
冷たいようだが、こう言わざるをえない。