東京国際フォーラム・ホールAで開かれたセレーナ・ゴメスのコンサートに行ってきた。
セレーナのコンディションは最悪で、まともに歌える状態ではなかった。かわいそうだった。

20160803Selena

セレーナ・ゴメスの今回のツアーは「リバイバル」というタイトルで2016年5月6日にラスベガスで初日を迎え、その後アメリカとカナダで43本のコンサートを7月11日まで実施。
少しお休みがあって7月23日から8月3日まででアジアで8本、
立て続けに8月6日から8月13日までオセアニアで4本、
9月3日と4日は2日連続でカナダ、
9月24日にニューヨークのセントラル・パークで公演して少しおやすみ。
10月10日から11月18日までヨーロッパで21本、
最後に12月14日から18日までメキシコで3本やって、
おしまい。
全83本。
こうやって書いているだけでもグッタリするくらいのハード・スケジュールである。

私が昨日見た東京の公演は83本中51本目であるから、疲労もたまりにたまっているところだろう。

20160803JapanLovesSelena
https://twitter.com/selenagomez_jp/status/729604399622807552?lang=ja

高音が美しい歌声のはずが、Aから上の音は、ほとんど出ない。たまにムリして出しても、全くコントロールできていない奇声になってしまっていて、本当にかわいそうであった。

最近は、サム・スミスやメーガン・トレイナーがツアー中に喉を壊してスケジュールが変更になったりしているが、原因は最近のアーティストのビジネスのスタイルにある。
CDが売れなくなって、コンサート活動が収入の大きな柱となったため、ヒットがあってまもなく、大衆が忘れないうちになるべく効率よく多くの都市を回り、なるべく大きな会場でなるべく大きな収入を得ようとするビジネスになっているからだ。
セレーナ・ゴメスの場合は7か月で81本。まるで日本のプロレスのような頻度で公演を行い、しかもワールド・ツアーだから移動距離がとてつもなく長い。
アーティストのスケジュールも大体これを受けた形になっていて、
1年目、音源の制作
2年目、このプロモーション
3年目、ヒットを受けてワールド・ツアー
というようになっている。
昨年はテイラー・スウィフトがワールド・ツアーで稼ぎ、
その前の年はケイティ・ペリーがワールド・ツアーを行った。
DJたちは、これがもっと細かくなっていて、
冬、音源制作
春、プロモーション
夏、イベント出演
秋、お休み
となっている人が多い。
DJは歌い手に比べて肉体の疲労が少ないようで、なんとかこなしているけれど、それでもAviciiのようにライヴ活動から引退するような人も出てくる。

このままのビジネス・スタイルでいくと、数多くの才能あるアーティストを壊しかねない。今日も、セレーナ・ゴメスが壊れちゃうんじゃないかと、心から心配した。
ビジネス・スタイルを変えていくか、コンサートの実施方法をもっとアーティストの肉体にダメージを与えない方向に変えていかないと、この先がどんどんなくなっていく。

今月は、ジャスティン・ビーバーの日本公演も見に行く。
ジャスティン・ビーバーも過密スケジュールで世界を回っているので、彼がどんなパフォーマンスをするのか、とても気になる。