ジャスティン・ビーバーは、日本公演にライオネル・リッチーの娘であるソフィア・リッチーを同行し、彼女との写真をInstagramに投稿した。これが物議をかもし、炎上したので、7780万人(!)のフォロワーのいるInstagramのアカウントをあっさりと閉じてしまった。


ソーシャル・メディアは大事かもしれないけど、ソーシャル・メディアへの投稿は、どんな投稿なら炎上するのか、予測もできないし、みすみす炎上のどまんなかに突っ込んでいくような不要なことはしても意味が無いと、アーティストのソーシャル・メディアに関して見直す動きが出始めている。

Delete Your Account: How Artists' Teams Handle Social Media Firestorms [Billboard]

アーティストとソーシャル・メディアの付き合いは2003年に「Myspace」が創業した頃から始まったから、もう10年以上にもなる。「Myspace」は、アーティストが自分の作品をアップロードすると、著作権処理をして分配も得られたので、世界の800万以上のアーティスト及び自称アーティストが利用していたこともあった。2005年にYouTubeがコンテンツIDを利用して分配を始めると、一気に「Myspace」は下火になった。
2007年、SXSWでTwitterが脚光を浴び、これを最初に活用したのがレディ・ガガだと言われている。

大昔から、アーティストにとって一番難しいのがファンとの距離の演出であった。「ガール・ネクスト・ドア」と言われるようにファンのすぐそばにいるようなイメージ作りから「スター」と言われるような雲の上の存在であるかのようなイメージまで。このどこに自分を置くのか、というのが実にむずかしい。
最近はファンに名前をつけて、自分の身内のように振る舞うのが流行っている。
ジャスティン・ビーバーは「ビリーバーズ」、
レディ・ガガは「リトル・モンスター」、
セレーナ・ゴメスは「セレネーター」、
テイラー・スウィフトは「スウィフティー」、
アリアナ・グランデは「アリアネーター」、
フィフス・ハーモニーは「ハーモナイザー」、
ワン・ダイレクションは「ダイレクショナー」、
デミ・ロヴァートは「ロヴァティックス」、
上げればキリがない。
これらは、ソーシャル・メディアを使ってアーティストがファンに呼びかける時に使う事が多い。このように名前をつけるような距離感がソーシャル・メディア時代のアーティストとファンの距離感なのだ。

もはや、当たり前のものになったソーシャル・メディア。さぁて、アーティストたちは「Myspace」を捨てた時のように他の何かに移動していくのだろうか。
それとも、アーティストはまた新しい道具を見つけて、ファンとの新しい距離を模索していくのだろうか?