東急電鉄の「電車で化粧はみっともないからやめよう」というマナー広告が女性から不評だそうである。

東急電鉄「電車内の化粧はみっともないからやめよう」→女子が激怒して炎上【Netgeek】
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http://netgeek.biz/archives/86012

でも、同じことを言っているブラックマヨネーズのこの動画は炎上なんかしない。
やーめなはれ ブラックマヨネーズ 【電車で化粧はやめなはれ】

最近人々から嫌われるのは、内容じゃなくて、表現が押し付けがましく感じられるからじゃないか、と思う。
電車の中で化粧をしちゃいけません、だなんていう法律はない。条例もない。シルバー・シートのそばで携帯電話を使っちゃいけないというような電鉄会社のルールがあるわけでもない。だから、電車の中で化粧をしたとしてもルール違反ではない。マナーの問題である。
「私たちが電車の中で化粧するのなんか、全然ルール違反じゃないじゃない? こんなこと言うの何様?」というわけである。東急様なのだが。

逆に自由にさせてくれるメッセージは歓迎される。

西武百貨店「アドバンスド・モード」

樹木希林さんがこういうセリフを語る。

歳をとったら、歳相応の服を着なさいとか、妻や母親、祖母という役割に自分を合わせなさいとか、周りの人と同じように振る舞いなさいとか。
そんな窮屈な常識は、もういらない。
あなたはもっと、個性的であっていい。
それが派手でも、大胆であっても、堂々と着たい服を着る。
そうして、何万通りもの個性が花開いたとき、誰も見たことのない時代が、一歩前に進み出す。
年齢を脱ぐ。
冒険を着る。
アドバンストモード

なんともはや20世紀的な広告なんだけれど、若い人に受けているようだ。

樹木希林「窮屈な常識はいらない」 百貨店広告、若い世代なぜ共感?

私も、押し付けがましいのは嫌いだ。
最近テレビでお笑い芸人が政治的な発言をするのが流行しているけれど、彼らは慣れないからか、ものすごく押し付けがましく彼らの価値観を語っているように見える。
あんなのやめればいいのに、といつも思う。

最近押し付けがましいのは「文庫X」のカバーだ。
岩手県のある書店員が販促のために手作りの本のカバーを手書きで作成し、これを巻いたところ話題となり、三省堂書店をはじめ全国の数多い書店から問い合わせがあり、さらに手作りでこつこつとこのカバーを生産しているのだが、これが売れているというのである。


私がこのカバーを読んでいちばん押し付けがましいと思うのは
「この本を読んで心が動かされない人はいない、と固く信じています」
という下りである。
押し付けがましさ嫌悪の私は、何が何でも絶対にこういう売り方の本は買わない。
私も、東急電鉄のマナー広告に反発する女性たちとあまり変わらないようだ。