書籍の消毒機が売れているのだという。全国3,200もの図書館に導入されているのだそうだ。
「図書館の本はどこの誰が触ったかわからない」といった声が相次いでいるせいらしい。潔癖症の人が増えているので仕方がないのだろうとは思う。

ところが、その方式を聞いてびっくりしてしまった。なんと、紫外線殺菌なのだという。

いくつかある図書消毒機の一つのウェブサイトがこれだ。

LIVA図書消毒機(リヴァー)/ブッククリーンCOCOCHI(ここち)
20161111_bookcleane
https://www.trc.co.jp/solution/bookcleaner.html

本を返す時に利用者が本を開いた状態でこの中に入れると送風機能で本にはさまった髪の毛などを取り除き、紫外線を当てて殺菌するというのだ。

本、というか紙に紫外線が大変よろしくないのは、図書館業界の常識であろうと思う。本の大敵は日焼けで、日光が当たりやすい本棚などで保管された本は背が日焼けしてしまう。この日焼けはもちろん本の内部にまで及び、紙をボロボロにしてしまう。
消毒機で紫外線を当てるということはこの真逆をいっているわけで、本をボロボロにするためにこの機械をかけているように見える。

私がびっくりしたのと同じ感じを持った人は他にもいるようだ。

図書を殺菌する図書館の愚行

日焼けは最大の敵!本をきれいに保存する方法

なんだろうなぁ、全国3200の図書館は、収蔵している本を積極的に破壊しようとしているのだぞ。
また、これを販売しているのも図書館への納入を専門にやっているような会社だ。
全国の公共図書館には、とくに図書館に関する知識のない役場の職員のような人もいるだろうから「図書館の常識」なんか通用しないかもしれない。でも、販売側は図書館のプロであろう。プロが積極的に本を破壊する、これはなんとか止めないと、貴重な本もどんどん壊れていくぞ。