Inter BEEという展示会に行った。

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International Broadcast Equipment Exhibition。国際放送機器展である。
放送機器と言っても、ヴァーチャル・リアリティを作成するためのハードウェアも展示されているし、プロフェッショナル・オーディオの機材も展示されている。

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私にとっては、年300日以上をレコーディング・スタジオで過ごしていた頃はこの展示会は欠かせないもので、いくら忙しくっても会場に足を運んだものだ。
今年は、私にとっては全く魅力のないものになってしまった。
おもちゃをいくら見せられても興奮しなくなった、という感じ。

先週の「楽器フェア」は楽しかった。
ドラムとか管楽器、弦楽器などの「カラダを使う」楽器のブースに人だかりができていて、音楽を楽しんでいるのが伝わってきたからだ。
今日のInter BEEはプロ向けのせいか、こういったエモーションが全然伝わってこなかった。

そもそも、こういった展示会にはハードウェアが並ぶものなのだけれど、ハードウェア自体に全然魅力がないのだ。
ヤマハとかパナソニックとかNECといった日本の会社も多く出展していたけれど、たとえばバーチャル・リアリティの画像を作りたいからと言ってハードウェアを求める時代ではないのだ。コンピューターを使ってその都度流行りのソフトウェアを導入すれば良いのだから。

一方、どうしてもデジタル化できない部分はある。音は波である。空気を揺らしている波である。この波を捉えるのはマイクロフォンであり、これを再生して波を起こすのがスピーカーである。人間にプラグが実装されてデジタル信号を直接体内にインプットするようにでもならない限り、空気を揺らして音を伝えることになる。これにはハードウェアが必要だ。でも、このハードウェアのイノベーションは、20世紀末で完成してしまっていて、従来あり得なかった方式のマイクロフォンとかスピーカーだなんていうものは出てきていない。

だれか、なんかすごいすばらしい玩具を開発してくださいっ!