今日は3時間の「普通救命講習」を受けてきた。

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これは、普通の人が道などで倒れている人をみつけた時に、救急車が来るまでの間にできる救命処置のやり方を学ぶものだ。

講習では、
・胸骨圧迫による心肺蘇生
・人工呼吸
・AEDの使用法
の3つに関しては実技を行って学び、
その他、テキストだけで
・気道異物除去
・止血法
を学ぶものだった。
たった3時間だが、ものすごく中身が濃い講習だった。

「胸骨圧迫」とは以前は「心臓マッサージ」と呼ばれていたもので、通常の呼吸ができなくなった人の胸を両手でガシガシと押して呼吸を取り戻すことである。テレビ・ドラマなどでも時々医師役の役者がやっているので、見たことがあるかもしれない。
これが想像以上にキツイ。真剣に1分もやると息が上がる。救急車を呼んでから来るまで東京都の場合は約7分くらいかかるらしいのだが、今日教わったパワーで7分もやり続ける自信はないくらいキッツい。
「人工呼吸」は、僕らが子どもの頃に教わった大層なものではなく、マウス・トゥ・マウスで2回だけ行うものだ。

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日本は災害の国だから、いつどこでそんな災害が起こってもおかしくないから、こういう講習も受けてみようと思って行ったのだが、これは本当に貴重な技能だ。見るとやるとでは大違いである。
本当にきっつくて、老人にはとてもできない体力勝負の技である。
しかも、いつでも使える技である。

講習では最後に3つのシナリオでとっさにどうするのか考えさせ、段取りを確認する。

シナリオ1. プールから上がってきた女性が急に倒れた。駆け寄って反応を確認したが、反応はなかった。周囲には他の人やインストラクターが集まってきた。
 
シナリオ2. 駅のホームで男性が胸痛を訴えた。数分間苦しがっていたが、その後反応がなくなった。

シナリオ3. ソフトボールを行っていたところ、打球が守備についていた子どもの胸に当たった。子どもはすぐその場に倒れてしまった。駆け寄って反応を確認したが反応はなく、普段通りの呼吸も感じられなかった。

さぁ、あなたならどうする? というわけである。

たった3時間の講習だし、練習は1回だけだし、練習は決して生身の人間相手ではなく特殊な人形相手じゃないとダメ、ということだから、いざという時本当に使えるかどうかは今日の講習だけでは不足だろうとは思うけれど、でも知っているのと知らないのでは大違いだ。

これから日本はますます高齢化が進む。そうなると、街でいきなり具合の悪くなる年寄りも増えることだろう。そういえば、私の祖父も街で倒れて病院に運ばれたのだった。自分自身がちょっとでもできる社会貢献として、救命の知識とちょっとした実技経験は持っていて悪くない。
特に定年退職者のみなさんは、いかがだろう? これから会社のためじゃなくて地域のために生きていくのなら、すごく役に立つ。それに70代80代になってからでは、とてもこんなハードワークはできない。
認定証ももらえるしね。

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東京都の場合は東京防災救急協会ということろが、都内の消防署や本所の防災館などで定期的に講習会を実施していて、オンラインで申し込みができる。

本当にいい体験だった。