明石家さんまさん原作の本『Jimmy』を読んだ。

Jimmy (文春文庫)
明石家 さんま
文藝春秋
2017-06-08


ジミー大西さんに関するお話である。帯でさんまさんは「嘘みたいな話ばっかりですけど、全部ホンマです」と書いている。本当に嘘みたいな話ばっかりである。

この中に出てくる芸人の一人は、マンホールの工事現場を通りかかり、中に入っている人に「暑いか?」と聞くと「暑い」と答えたので「そしたら水をあげるわ」といって上から放尿しちゃうような人が出てくる。こんなことも、昔は芸人だから許されていた。



昔は「芸のためなら女房を泣かす」なんて当たり前だった。

この本はNETFLIXドラマとして完成済みだったのだが明石家さんま役で出演している小出恵介さんが大阪市内で少女と飲酒し、不適切な関係を持ったとして無期限の活動停止になり、公開されていない作品の原作である。

小出恵介を任意聴取 青少年条例違反疑い 大阪府警【サンスポ】

メチャクチャな世界を描いている作品の出演者がメチャクチャなことをしたとして活動停止になり、作品は公開延期になってしまった。
芸人とか、俳優とか、ミュージシャンになろうだなんていう人は、もうこの段階で普通じゃない。小出さんは慶應に高校から行って大学2年生のときに俳優になったんだけれど、慶應に行くような普通の人は、不安定な俳優なんて目指さないw。
有名タレントと不倫で活動を一時休止したロックバンドのヴォーカリストも、都内の国立大学を出て、普通はロックバンドのヴォーカリストなんて目指さないw。
芸人とか、俳優とか、ミュージシャンだなんて、世の中のはぐれ者がなる職業ですよ。いい子ちゃんのお笑いとかいい子ちゃんの演技とか、いい子ちゃんのロックだなんて、全然魅力がないよね。それは非日常だから。日常にうんざりしている普通の人が非日常を感じるのがお笑いだったり演技だったり歌だったりするんだよね。
でも、社会の規範をハズレた人は猛烈に攻撃されるから、こういう「はぐれ者」の居場所がなくなっちゃってきている。
本当にこれはかわいそう。私は長くエンタテインメントの仕事をしているから周囲には「はぐれ者」が山ほどいるんだけど、この人たちは一体どこに行けばいいのだろう?