ぼくの先輩に松岡さんという方がいる。
楽器のヤマハを定年退職して、浜松市に住み、いまでもヤマハ関連のお仕事をしていらっしゃる。
この方が、「地元静岡県にある浜岡原発で何か起きて(今回の福島第一原発のように)コントロール不可能に陥った場合、本当に日本消滅というのは十分考えられるシナリオだと思っている」とおっしゃるのです。
松岡さんから教えてもらったのが、神戸大学名誉教授、石橋克彦さんの論文です。
http://historical.seismology.jp/ishibashi/opinion/2011touhoku.html
石橋さんは、今回の福島の事故に際して
「私がこれまで書いたり話したりしてきたことは、今の緊急事態に役立つことではないのですが、私が願っていたことを少しずつ纏めておきたい気がしてきました。幸いに危機的状況を脱することができたら、今後の日本社会をより安全に復興するために多少は参考にしていただけるかもしれないとも思います。まずは3点をアップします。」
と書いて、これまでの自分の書いたものを紹介してくれています。
特にすごいのは、『科学』(岩波書店) Vol.67, No.10 (1997年10月号) に掲載された「原発震災−破滅を避けるために」です。
http://historical.seismology.jp/ishibashi/opinion/9710kagaku.pdf
浜岡原発を素材に書かれていますけれど、今回の福島第一原発の事故を見て書いたのではないか、と思ってしまうくらいの正確な描写が、ここにはあります。
(引用)
「冷却水が失われる多くの可能性があり(事故の実績は多い)、炉心溶融が生ずる恐れは強い。そうなると、さらに水蒸気爆発や水素爆発がおこって格納容器や原子炉建屋が破壊される。」
(中略)
「爆発事故が使用済み燃料プールに波及すれば、ジルコニウム火災などを通じて放出放射能がいっそう莫大になるという推測もある」
(引用ここまで)
など……。
浜岡原発に何かが起こると、風下17Km以内で90%以上の人が死亡し、もしこの風が南西の風だと首都圏を中心に434万人が晩発性障害(がん)で死ぬ、とも予想しています。
先生の主張によると、地震国日本に原発がある事自体がそもそも間違いだ、いうことになります。
エネルギー、特に電気のない社会がもはや考えられない中で、これからどうやって電気を供給していくのか、というのは、大変に重要な問題です。
これから、もともと日本には根強い原子力アレルギーは再燃し、これまでのように原発を運転したり新規につくったり、は、できづらくなるでしょう。ではどうすればいいのか? この議論のための準備を、始めておきましょう。


