マーケティング
しばらく前から、自分がいつも行くお店が閉店していくのを見て、実店舗の重要性について考えていた。
今は、何でもオンラインで買える。
重くてかさばるものなんて、今さら実店舗で買おうなんて思わない。米や一升瓶のお酒やビールなんて、とても実店舗で買ってうんやこらせと自宅まで運ぶ気になんてならない。
期せずして、東京都内のお店がほとんど閉店してしまっている。新型コロナウイルスのせいだ。
私が週に一度か二度は行かないと具合が悪くなる書店も軒並み臨時休業している。

(三省堂書店有楽町店)

https://www.kinokuniya.co.jp/c/store/Shinjuku-Main-Store/
電気屋さんも閉まっている。

http://www.yodobashi-akiba.com/event/0season/news/news_event.jpg
自宅で作業をするようになって電源タップが足りなくなり、近所のコンビニに見に行ったがすでに売り切れ。僕と同じような人が多いのかもしれないね。
「ヨドバシカメラだって休んでいるしなぁ」と思って検索したら、ビックカメラグループは時間短縮ながらも営業していることがわかった。
ビックカメラグループのコジマなら高島平にもお店がある。

https://www.kojima.net/shop/shoplist/takashimadaira.html
街を歩いてみると、パチンコ屋さんや飲み屋さんはもとより、多くのお店が閉まってしまっている。何年か前に考えた「このまま実店舗がなくなってしまったら、街はさびしくなるな」という僕の気持ちは、今回のことで一層強くなった。実際にお店がないんだもの、今。
ポスト禍が終結したらやりたいことや、やらないといけないなと思っていることはいくつもあるのだけれど、その中でも、ショップ・マーケティングは中心的な課題になってきた。
マーク・ジェフリーの『データ・ドリブン・マーケティング』の日本語訳が出た。
データ・ドリブン・マーケティングを志す人にとっては、基本中の基本的な本である。
この本がアメリカで発刊されたのは2010年。なんと7年前の本である。もうこの本の日本語訳はずっと出ないのだと思っていた。
私がWeb広告研究会のBig Data研究委員会で語っていたことは実はほとんどこの本に書かれていたことなんである。
日本語版のタイトルは『データ・ドリブン・マーケティング : 最低限知っておくべき15の指標』になっている。この15の指標とは以下のものである。
1. ブランド認知率
2. お試し
3. 解約(離反)率
4. 顧客満足度
5. オファー応諾率
6. 利益
7. 正味現在価値
8. 内部収益率
9. 投資回収期間
10. 顧客生涯価値
11. クリック単価
12. トランザクション コンバージョン率
13. 広告費用対効果
14. 直帰率
15. 口コミ増幅係数
1から10は伝統的なマーケティング指標だけれど、多くのデジタル・マーケターにはあまり馴染みがないかもしれない。たとえば「利益はマーケティング・セクションの仕事ではない」といったように。一方でデジタル・マーケターは11から14にこだわったり、ソーシャル・メディアに関わる人は15も意識していたりするかもしれない。
もちろん著者はこの15の指標でデータ・ドリブン・マーケティングが完成するなどとは一言も言っていない。むしろこの15の指標は「重要度が高い指標」としていて、英語版のウェブサイトからは、この本で紹介された定量分析例を読者が実践できるExcelのテンプレートがダウンロードできるようになっている。
「当ブランドではこの手法はあてはまらない」だなんて言わないで、一度この本にかかれていることをそのまま実施してみることをお勧めする。
その上で、ここに紹介されていない指標も使ってみたり、逆にこの15の指標の一部を無視したりしてみても良いのではないか。
なにせ、この本は発刊後7年も生き残った本なのである。この7年の間に時代遅れになった指標は一つもない。データ・ドリブン・マーケティングの基本をしっかり身につけて実践されると良いと思う。

dennis_jp