Dennis 50

インターネットで本当にコミュニケーションは変わったのかなあ? 購買行動は変わったのかなぁ? できる限り、実験してみたいと思います。

マーケティング

2016/08/07(日) 晴れ 10代の子たちのインタビューが楽しくってしかたがない

最近、若者層に対するコミュニケーション企画の仕事が多い。
企画をしている人、つまり大人の人にはどうしても理解ができないことが多いので、以前からグループ・インタビューやヒアリングを奨めていたのだが、夏休みになったので、ここしばらくで何回か実施した。

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プロのグループ・インタビューの司会者が進行するグループ・インタビューはメチャクチャおもしろい。なにせ、設問が若い衆の理解を越えていることが多いので、質問の意図を理解してもらうだけで一苦労だからである。全くかみ合わない。結果大人側に「なんか変だなぁ」「知らない生物の話を聞いているみたい」とかいう感想が残るケースが多い。
 
一方、大学生に事前に課題を与えておいて自由に話してもらう形式も試しているけれど、これも大変おもしろい。参加する大学生側が「こんなの、わかります?」と大人側に気を使って聞いてくるなど。w

高校生に「どんなオトナがかっこ悪いと思いますか?」と聞いたら「パソコンにいっぱいステッカー貼ってスタバで仕事してる感出している人」という答え。わっはっは。私の周囲にはそんな人ばっかりだぞ。
大学生に「どうしたらクルマに興味を持ってもらえますか?」と聞いたら「電車とか全部なくなってクルマしか移動の手段がなくなったら」という答え。これは、切実だ。

2016/07/29(金) 晴れ テレビの王座はあと1年……?

「DIGIDAY」に「世界の広告支出額、テレビの王座は「あと1年」という予測:2017年ネットがついに逆転か?」という記事が掲載された。

メディアエージェンシーのゼニス(Zenith)が7月19日にリリースした最新調査レポートによると、2017年には世界の広告費のうち、インターネット広告のシェアが36%になり、35%のテレビを抜いてもっとも有力な広告メディアになると予測しているのである。

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アメリカにおいても、世界同様同じ2017年にインターネット広告がテレビ広告の扱い高を抜くだろうという予測なのだが、

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ただし、のべ視聴者数ではまだテレビのほうが優っているという予測である。

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テレビをはじめとするマス広告とインターネット広告では役割が違うので、これに対して「マスの敗北」「インターネットの時代」と簡単に言ってしまうことはできない。
日々の売上をコツコツと作っていくのに必要な、新聞折込チラシと同じように使えるインターネット広告と、イメージを作っていくマス広告を単純に比較するのはむずかしい、ということである。

ただし、このような数字が出まわると企業の偉い人の中には「インターネットの時代だ、時代遅れのテレビ広告なんかやっていてはいけない」と思ってしまい、そういう経営をしてしまう人もいるので注意しないと。
GoogleもAmazonもここぞというタイミングでテレビ広告を活用していることを肝に銘じよう。

2016/07/24(日) 晴れ 一般に、急激に流行したものは急激に飽きられる

日本で「ポケモンGO」が公開されてまだ2日だ。
先行して7月7日に公開されたアメリカでは、すでに流行のピークは過ぎたようだ。

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http://iphone-mania.jp/news-127084/

「Survey Monkey」の調査によると、デイリー・アクティブ・ユーザー数は7月7日の公開から1週間後の7月14日に2,500万ユーザーを超えてピークに達し、その後、徐々に低下が続き、7月20日時点ではおよそ2,200万ユーザー程度にまで低下しているとのこと。

ダウンロード数は公開初日の7月7日に600万近くを記録して、5日後の7月12日には再び同様のレベルに戻ったものの以後は漸減傾向なのだそうだ。

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一般的に、急激に流行が始まったものは廃れるのが早く、逆にゆっくり流行していったものはゆっくり廃れていく。
アメリカでも日本でも、ポケモンGOの立ち上がりは、とても急激だったので、終わっていくのも相当早いと思う。

私とは言えば、ジムで戦えるレベル5まで来て、もう飽きた。
レベル5ごときではジムで到底勝てない。熱心にやっている人はもうレベル10とか15になっているので、レベル5なんて、ゴミみたいなもんである。
人からは言われていたけれど、実際に戦ってみて、もうやめようと思った。

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2016/07/16(土) 曇り 都市をマーケティングする、ということ

東京都知事選挙が始まった。
前任者は、政治資金の使い方が「せこい」と言われて辞めざるを得なくなったのだそうである。なんともはや、情けない辞任の理由である。
高島平の団地の掲示板にはまだ主要候補の3人分しかポスターが貼られていない。全部で21人立候補しているはずだが、選挙戦の最初の3日にポスターを貼ることができる資力があるのがこの3候補だけだということなのだろう。

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都知事は内閣総理大臣と違って、直接都民の投票で選ばれるのだから、政治家としてのセンスもさることながらマーケティングのセンスも必要だ。このことを書いたのがフィリップ & ミルトンのコトラー親子の書いた『世界都市間競争』である。



東京は国際的な競争でシンガポールに負け、多くのグローバル企業のアジア本社を失った。
日本企業でも、日産のグローバル本社は東京から横浜に移ってしまった。
P&Gとネスレの日本本社は神戸である。阪神淡路大震災の時に一時的に大阪に移転したこともあったが、その後また神戸に戻っている。この二社にとっては神戸に強い魅力があるのだろう。
いま東京に本拠を置く企業も、この先他にもっと魅力がある都市があればそこにオフィスを移す可能性がある。グローバル市場でビジネスをしている会社にとっては、もしルーツが日本であっても日本国内に本社をおいておく必要などない。日本マーケット対応の営業所があればいいだけだ。ソニーのように映画や音楽、保険など営業内容が多岐にわたっている会社では、全事業を連結して決算するのに、日本円で決算報告して日本に高い法人税を払うことが合理的なのだろうか?

いま、世界の都市は競争を行っている。いかにして企業の本拠地を獲得して、多数の雇用と税収を得ようという戦いである。
日本が東京一極集中だった時には、放っておいても企業の本社が東京に集まってきた。東京に営業所を構える地方企業も数多かった。しかし、いま、もし日本に本拠地が必要だとして、それを東京にする意味はあるのだろうか?
また、なぜ東京にあったグローバル企業のアジア本社がシンガポールに移ってしまったのか? 地政学的にアジア・オセアニアの真ん中だから、という人もいるけれど、理由はそればかりではない。アメリカ企業のヨーロッパの本拠地はとてもヨーロッパの真ん中とはいえないイギリスだったりする。
このようなことをふまえ、いかに東京をマーケティングできるか。そういう人を都知事に選ぶ必要がある。

このコトラー親子の本では、彼らの住むシカゴの街が縮小していく様子、そこから近いデトロイトが破産からどのように立ち直ろうとしているかというアメリカの話題だけではなく、中南米や中国の成長都市のマーケティングに触れている。

今回の選挙はどんな結果が出るのだろうか?

2016/07/01(金) 晴れ 『マーケティング基礎読本』

日経BPムックから出た『マーケティング基礎読本』は、ひととおり目を通すといいかもしれない。



インターネット登場以来、オンラインを主体に「××マーケティング」という語が乱発している。「パーミッション・マーケティング」とか「ワン・トゥ・ワン・マーケティング」なんていう古い言葉は今の若いマーケターは知らないんじゃないかな。
その結果、「××マーケティング」はインターネットを利用した小手先の手段だと思っている人が増えてしまっている。
この本の冒頭でもある通り、この本は「マーケティングを知らないデジタル・マーケターのための本」である。
でも、最近の風潮に流されて、ついついマーケティングの基本からずれてしまっている昔からのマーケティングの人にも有効かもしれないよ。
私自身、外部環境分析手法のPEST分析なんてすっかり忘れていたよ。

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