Dennis 50

インターネットで本当にコミュニケーションは変わったのかなあ? 購買行動は変わったのかなぁ? できる限り、実験してみたいと思います。

データ・ドリブン・マーケティング

2017/04/26(水) 曇り マーク・ジェフリーの『データ・ドリブン・マーケティング』の日本語訳が出た

マーク・ジェフリーの『データ・ドリブン・マーケティング』の日本語訳が出た。





データ・ドリブン・マーケティングを志す人にとっては、基本中の基本的な本である。

この本がアメリカで発刊されたのは2010年。なんと7年前の本である。もうこの本の日本語訳はずっと出ないのだと思っていた。

私がWeb広告研究会のBig Data研究委員会で語っていたことは実はほとんどこの本に書かれていたことなんである。

 

日本語版のタイトルは『データ・ドリブン・マーケティング : 最低限知っておくべき15の指標』になっている。この15の指標とは以下のものである。
 

1.       ブランド認知率

2.       お試し

3.       解約(離反)率

4.       顧客満足度

5.       オファー応諾率

6.       利益

7.       正味現在価値

8.       内部収益率

9.       投資回収期間

10.    顧客生涯価値

11.    クリック単価

12.    トランザクション コンバージョン率

13.    広告費用対効果

14.    直帰率

15.    口コミ増幅係数


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から10は伝統的なマーケティング指標だけれど、多くのデジタル・マーケターにはあまり馴染みがないかもしれない。たとえば「利益はマーケティング・セクションの仕事ではない」といったように。一方でデジタル・マーケターは11から14にこだわったり、ソーシャル・メディアに関わる人は15も意識していたりするかもしれない。

もちろん著者はこの15の指標でデータ・ドリブン・マーケティングが完成するなどとは一言も言っていない。むしろこの15の指標は「重要度が高い指標」としていて、英語版のウェブサイトからは、この本で紹介された定量分析例を読者が実践できるExcelのテンプレートがダウンロードできるようになっている。

「当ブランドではこの手法はあてはまらない」だなんて言わないで、一度この本にかかれていることをそのまま実施してみることをお勧めする。

その上で、ここに紹介されていない指標も使ってみたり、逆にこの15の指標の一部を無視したりしてみても良いのではないか。

なにせ、この本は発刊後7年も生き残った本なのである。この7年の間に時代遅れになった指標は一つもない。データ・ドリブン・マーケティングの基本をしっかり身につけて実践されると良いと思う。    
 

2016/04/18(月) 曇り 東京の真ん中にいても日本という国は理解できない

Yahoo! JAPANが2016年3月8日に公開したレポート「日本は2つの国からできている!?〜データで見る東京の特異性〜」は、ずいぶん考えさせられた。

日本は2つの国からできている!?
〜データで見る東京の特異性〜

Yahoo! JAPANに集まるさまざまなデータを見ると、日本という国は「東京」と「その他」でできていて、東京の真ん中にいる肌感での判断は必ずしも日本全体の感覚とは異なる、ということなのだ。
データ・ドリブン・マーケティングを推進していると、じつにいろんなデータとその分析が出てくる。ところが、東京の真ん中で判断している企業の人々の肌感に合わずに「そんなわけはない」と言われて、施策に反映できないことが多々あるのだ。

昨年2015年から私はJ.D. パワーという国際的な顧客満足度調査機関の日本におけるコミュニケーションをお手伝いしている。この先いろんな商品の顧客満足度に関するコンテンツも作っていくけれど、いまはクルマ中心だ。そこで、この場を利用してクルマや通勤に関して、東京は他の日本とどう違うのかに関してレポートすることにした。

まず、通勤に関して。

日本全国で通勤といえばまずはクルマ通勤。通勤の比率は半分以上がクルマ利用なのに対して東京都はクルマ通勤はたった9%である。
このデータは国勢調査(2010年)から持ってきたもので、クルマ通勤は「クルマのみを通勤に使っている人」である。「最寄り駅までは家族にクルマで送ってもらい、そこからは電車」という人は「クルマ通勤」にはなっていない。それにしても、東京だけ、特別である。
したがって世帯あたりの乗用車保有数は0.46台と、際立って少ない。

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http://jdpower-japan.com/?p=667

クルマは実用的な「動く手段」ではなくて、もっと違う意味を持っていそうなのが、登録される自動車の中の輸入車の割合。

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http://jdpower-japan.com/?p=680

全国平均では輸入車の割合は6.4%なのに対し、東京都では15.5%。東京23区に絞ると23.2%。しかも、更に都心の港区にしぼると47.3%と、約半分が輸入車なのである。

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http://jdpower-japan.com/?p=683

世帯数あたりのカー・ディーラーの数は全国の下から二番目だし、

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http://jdpower-japan.com/?p=626

中古車ディーラー数は最下位。

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http://jdpower-japan.com/?p=671

クルマ通勤が少ない分、電車利用になるから、朝の通勤ラッシュはすごくて、全国の電車の混雑率のトップ25までが全部首都圏。26位にやっと関西が出てくるけれど、混雑率は144%と、首都圏の混雑率上位とはまったくレベルが違う。

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http://jdpower-japan.com/?p=677

毎日めちゃくちゃ混雑した電車で東京のどまんなかのオフィスに通って、走っているクルマはタクシー以外はほとんど輸入車、なんていうところの肌感が、日本全国というマーケットで通じるわけがない。

本当にこの国は「東京」と「それ以外」でできているのかもしれない。
私は2年近く長野県の田舎で暮らしたので、ずっと東京の都心で働き続けている人と違う感覚になっているにちがいない。そして、この感覚のほうが日本全国というマーケットの感覚に近いように思える。
感覚を正すには、データを澄んだ瞳で見つめて、そこに自分自身の感覚を持ち込まずに判断することだ。
データをもう少し信用してみよう。

2016/02/26(金) 晴れ 名選手必ずしも名監督にあらず

私は数学が苦手だ。とても苦手だ。
しかし、デジタル・マーケティングの世界ではデータ・ドリブン・マーケティングなどという、いかにも数学ができないと難しそうなことを普及させようとしている。
長年、テレビ・ラジオや新聞・雑誌の広告を作ってきて、インターネットではさまざまなデータが取れることに狂喜乱舞して、以来ずっとその魅力にとりつかれているからだ。

20160226_Statics

http://wp6.hpstyling.com/2013/07/03/3814

マス広告を制作していると、一体この広告はちゃんと見られているのか、ちゃんと届いているのかわからないままに制作している気分になってくることがある。このようなことはビデオ・リサーチのような調査会社に依頼するときちんとした調査をしてはくれるのだが、特にクリエイティブを担当していると、本当にこれでいいのか、よくわからなくなることがある。こういう時には根拠の無い自信で乗り切るしかなかった。

インターネットでは、Cookieの活用などによってブラウザ一つひとつの行動が計測できるのが、私をデータ・ドリブン・マーケティングに夢中にさせた原因だ。どんなキーワードを検索エンジンに入力して、どこからどのくらいの頻度で来てくれる人が、どのくらいの金額を買ってくれるのかが見える、だなんて、マス広告の経験からすれば夢の様なものであった。

私はインターネット黎明期の20世紀末期にこれを体験したので、あれからかれこれ20年近く経つ。でも、いまだに勘と経験と度胸で勝負している人たちが山ほどいるので、あいも変わらずデータ・ドリブン・マーケティングの普及に勤しむことになってしまっている。

私のように数学が苦手でも、数字はどのように読めば良いのかが理解できるようになれば良い。おおまかな概念だけでも伝えたいので、入門書をず〜っと探しているのだが、なかなかいい本が見つからない。

先月、統計学のえらい先生に会う機会が会ったのだが、この方に推薦してもらったのがこの本である。
『Statistics Hacks ―統計の基本と世界を測るテクニック』



テックの世界で有名なオライリーだし、期待したのだけれどダメだった。結局数学が得意の人が書いた本なんである。
口調は「読者を舐めてるのか」って言う酷い翻訳だし、
いきなりt検定とか出てきても困る。
t検定なんか知らないからこの本を読もうとしているのに、あたかも「1+1は2ですよね」くらいのイメージで難しいことが出てきちゃうからイカンのである。

名選手必ずしも名監督にあらず。
数学ができちゃう人にとっては、どこが疑問なのか、どこでつまづいているのか、どうしても理解できないんだよね。

なにか、いい本があったら教えて下さい。

2016/02/11(木)(祭) 晴れ A/BテストがうまくいかないのはA/Aテストだからだ

「A/Bテストがうまくいかないのは、それがA/Aテストだからだ」という記事を見かけた。

Why most A/B tests give you bullshit results (Blog)
20160211_ABTest
http://venturebeat.com/2016/02/08/why-most-ab-tests-give-you-bullshit-results/

まさに正解、である。
コピーをAにするのかBにするのか、配色をAにするのかBにするのか、ボタンの配置をAにするのかBにするのか、といったことに迷った時に当てになるのはA/Bテストである。

A/Bテストが話題になったのは、2012年のオバマの選挙キャンペーンにグーグル出身のPete Koomen氏が参加し、オバマのウェブサイトをA/Bテストによって画期的に改善し、この経験を元にA/Bテスト・ツール「Optimizely」を発表した時である。
https://www.optimizely.com/jp/ 

しかし、その後A/Bテストが上手くいったという例はあまり報告されていない。なぜなら、多くのA/BテストがA/Bテストではなく、ほとんど変わりのない二つを比較するA/Aテストだからだというのが、今日紹介するこの記事の著者の主張である。

そうなんである。
A/Bテストは、大変な効果を発揮する。しかし、比較する二つがあまりにも差がなく、「Aだとクリック・レート0.2%、Bだと0.3%で、クリックは50%も改善しました」と言われても、「しょせん0.2が0.3になっただけじゃないか」と思われてしまう。

A/Bテストを実施するのなら大胆に異なるAとBを用意しなければ比較にならない。しかも、A/Aではこの二つに違いが出るのに大きな母数を必要とするので、信頼できる差がでるまでに時間を要する。また、A/Bテストを実施するときには、テスト内容以外は変更してしまってはいけない。もしテキストも配色も配置も同時に変えてしまったら、物事が改善したとしても、本当は何が良くて改善したのかがわからなくなる。

A/Bテストは時間がかかるけれど、問題は確実に改善する。
似通ったAとAじゃなく、AとBを用意して臨みたいものである。

 

2016/01/31(日) 晴れ 人間の感情が可視化できる……かもしれないそうだ

ネイキッドの大屋友紀雄さんのFacebook投稿で、人間の感情を可視化できるかもしれないのだ、ということを知った。

あるフィンランドのチームによって行われた研究で、感情が人体にどのような影響を与えているかを可視化する方法が発見されたのだそうだ。

20160131_EmotionVisualization
http://www.ibtimes.com/emotions-mapped-human-body-most-accurate-visualization-emotion-related-bodily-sensations-photo

この研究チームでは西ヨーロッパ人や東アジア人など、773名の被験者から集められたデータを使い、各感情ごとに身体のどの部分で活動が活発化あるいは鎮静化するかの関連性を導き出したのだそうである。被験者が身体の箇所でどのような活動を感じたか、激しさを感じた箇所は赤か黄色で、鈍く感じた箇所は青などの異なる色を使って塗るように指示されたのだそうである。
この研究により、各感情はそれぞれ身体に異なって現れること、そして西ヨーロッパおよび東アジア人という異なる文化圏でも、身体へ現れる反応は同じであることが判明した。

大屋さんも言っていたけれど、これがリアル・タイムでできるようになるとすばらしい。コンサートやイベントの演出に使えるのだ。
コンサートの場合、曲順に大いに悩む。曲をA→B→Cと並べたほうがいいのか、A→C→Bなのか、はたまたB→A→Cなのか、で悩むのである。
コンサートはコンテキストである。曲の並びによって受ける印象がぜんぜん違う。ではどうしたら良いのか。いまは、観客の顔色を見つめるか、歓声を音響分析してリアクションが良かったのはどの並びなのかを探るくらいしか方法がない。
これがもしリアル・タイムで測定可能になったら、コンサートごとにA/Bテストを実施して最良のリアクションを得ることができるようになる。
そうなると、本当にいいのだが。
 
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