Dennis 50

インターネットで本当にコミュニケーションは変わったのかなあ? 購買行動は変わったのかなぁ? できる限り、実験してみたいと思います。

時代の変化

2017/05/24(水) 曇り AIの普及で休みが増える:労働時間の短縮化

「AIが発達すると仕事がなくなる」「どうした良いのか」というような議論があるけれど、これはとぼけた議論だと思う。
蒸気機関が普及した時に多くの仕事はなくなったが、代わりの仕事も数多くできたし、これを機に人間は週休1日は取れるようになった。

AI対人間のように語ること自体がそもそもの間違いだと思う。業務の何かが自動化されたり、これにより職業そのものが消滅することはあるかもしれないけれど、人間の仕事がまるごと消えることは起きないだろうと思う。
むしろ新しい仕事が色々増える可能性が高いと思う。
AIとは、計算環境と機械学習や自然言語処理などの情報科学とデータを組み合わせて人間が実現を目指すゴールに過ぎない。AIには「できない」ことはたくさんある。ただ「できる」ことが人間よりも極端によくできるのである。

20170524_Singulity
数学における特異点(出典:Kurzweil, Ray (2005). The Singularity is Near. New York: Viking Books.)

たとえば運用型広告の運用は、人間なんかよりもAIの方が遥かにうまい。広告クリエイティブを多くのパターン用意して世に出し、反応の状態を学習したら、相手を見て最も効果が高いと思われるクリエイティブを相手ごとに出し分ける、というようなことは人間にはとても無理だ。
AIにとってはクリエイティブのどの要素が効果の理由なのかは関係ない。
ところが、AIはクリエイティブのアイデアを出すことはできない。できるのは「過去、クリエイティブAは千葉県に住む30代女性には効果がありましたが、同じ30代女性でも兵庫県で効果があったのはクリエイティブBでした」ということを常に急激な速度で学習し続けていくことである。
今、デジタル広告の現場では人間が、人間のできるスピードでレポートし、これを見た誰かが決断して広告の運用を行っているわけだけれども、こんな仕事はAIの仕事になってしまう。
でも、人間には他にやるべき仕事がやまほどある。

AIの普及によって省力化されるのは知的労働と言われている種類のものだ。好例は医師の診断で、医師は目視や検査データによって、過去の症例と目の前の患者の症状を比較して診断を行う。これは、医師の知識量や過去の経験に依存するので、個人差がある。ところが、過去の症例をたっぷり詰め込んで機械学習を重ねたAIは、知識や経験の少ない医師よりもハイ・レベルの診断を行い、人間である医師はメンタル面などを含めて治療に専念でき、過去にない症例が発見されたら、これを公表してAIの精度のより一層の向上に寄与することができる。

こうなると、人間の労働時間を大きく短縮することができる。
私が期待しているのは週休3日制とか1日の労働時間の短縮である。

創世記の神様たちが6日働いて1日休んでこの世界を作ったと創世記に書かれていたことから週休1日のしくみができ、産業革命後にこれが実現した。
これから約100年で週休2日が実現した。日本で週休2日制が固定したのは、1992年5月1日から国家公務員の完全週休二日制が実施されてからだ。
週休1日制になったから、週休2日制になったから、といって人間の所得は減少したわけではない。週休3日制とか毎日の労働時間が短縮化されたとしても、所得が減少することはないだろう。

私がいまエンタテインメントの仕事を一生懸命やっているのも、近々労働時間の短縮化が実現するであろうと思っているからだ。
労働時間が短くなれば、その分人々は楽しいことに時間を使うようになるだろう。ある人は映画を見、ある人は音楽を楽しみ、ある人はスポーツに興じる。そのような世の中が来たときに「楽しいこと」をたくさん提供できるようになっていたい、と思っているのだ。

だから私はAI推進派である。
もっともっと、楽しいことで世の中を埋め尽くしたいと思っている。

2017/05/16(火) 曇り 日本の物流はamazonが変えるのだろうか?

今年2017年に入って日本の物流が大きく変わろうとしている。
ヤマト運輸の過重労働が問題となり、この根本にはamazonの荷物が増えすぎていることが問題になった。
amazonの売上が伸びると、ヤマトへの発注が増えることになる。強力な交渉力をもつamazonの荷物のヤマトの利益は、我々がコンビニに持ち込むような荷物よりも大幅に薄いものとなる。
ヤマト運輸の持株会社のヤマトホールディングスは上場企業なので決算をウェブサイトで公開しているが、2016年度の扱い荷物の個数は16億個と史上空前になっているのだが、営業利益は年々下がっている。
つまり、扱い個数が増えても利益は増えず、これに再配達などが加わると利益を食っていくことになってしまっているのだ。

この模様を小説化したのが楡周平さんの『ドッグファイト』だ。

ドッグファイト
楡 周平
KADOKAWA/角川書店
2016-07-29


作者の楡さんは週刊文春のインタビューに以下のように答えている。

「アマゾンやヨドバシの通販など配送料が無料ですが、おかしいと思いませんか? たとえば1冊の本を配送するのにも、本を仕入れ、倉庫に保管し、オーダー毎にピックアップし、パッキングし、中央倉庫からデポ(中間拠点)に運び、小口の運送へと何段階もの過程を経る。誰かを泣かさなきゃ配送料無料のビジネスなんて成り立たない。いろいろな運送会社の決算書を見ると、どこも物量は上がっているのに利益は伸び悩んでいます。しかも当日配送すら行われていますから、数時間単位の配送の競争を強いられています。労働条件が悪化し、今やターミナルで働いているのは外国人ばかりで、トラックの運転手の4割は50代以上。年収も大幅に下がり、だから若い人が寄りつかないわけです。そんな中でどう利益を上げるか徹底的に考えました」

おそらく同様のことが郵便局にも押し寄せているのだろう。昨年まで24時間営業だった私の受け持ち郵便局の「ゆうゆう窓口」の営業も朝7時から夜9時までになってしまった。

20170410_PostOffice

以前は帰ってきてポストに不在票が入っているとその足で郵便局に行って書留を受け取るというようなこともできたのだが、さすがに夜9時閉店となるとそうもいかない。翌朝出かける前に郵便局に寄って受け取ることになった。

20170516PostOffice

悲しいのは、行くのが遅くなると翌日も仕事熱心な配達員がこれをもって再配達に出かけてしまうことがあり、せっかく窓口に行ってもこの郵便物はそこにはない、ということもあることだ。

私のクレジット・カードの更新時期は3月から5月に集中していることもあり、ここしばらく何回か郵便局に取りに行っているのだけれど、この「基本的に在宅していないと受け取れない」システムはもう時代遅れだよね。発送する側も書留じゃない方法を考えてほしい。なかには普通郵便でクレジット・カードを送ってくる会社もあるからね。

さて、amazonからはヤマト運輸が当日配達からの撤退を検討しているとのことだ。アメリカでは、amazonは配送を自前でやる動きが始まっている。日本ではすでに「プライムナウ」に関しては自前で配送を開始しているし、ヨドバシカメラは東京23区内では「ヨドバシエクストリーム(Yodobashi Xtreme)」をスタートしてこちらも自前で配送している。


20170516_Yodobashi

これから日本のamazonも自前配送に向かうのだろうか? そうしたら、日本の物流も変わっていくのだろうか?

2017/02/14(火) 晴れ 日本はアメリカにとって中国への「壁」

日米首脳会談が終わり、共同宣言が出された。

日米首脳会談の共同声明全文
2017年2月12日
読売新聞

この共同宣言の冒頭に非常に重要なことが書いてある。
 
「揺らぐことのない日米同盟はアジア太平洋地域における平和、繁栄及び自由の礎である。核及び通常戦力の双方によるあらゆる種類の米国の軍事力を使った日本の防衛に対する米国のコミットメント(関与)は揺るぎない。アジア太平洋地域において厳しさを増す安全保障環境の中で、米国は地域におけるプレゼンス(存在)を強化し、日本は同盟におけるより大きな役割及び責任を果たす。」

ドナルド・トランプの選挙中の発言は「もうアメリカは世界の警察なんかできない」というものだった。
特にアジアはアメリカから遠くて一般の人にとっては全然関心がない地域だ。そこで何が起こっても選挙民は自分事ではない。
ドナルド・トランプも、この地域に、税金から多額の出費を行って日本や韓国、フィリピンに米軍基地を置いておくことに全く意味を感じなかったのだろう。
ところが、大統領就任後に変わったようだ。

現在のアメリカにとっての最大の脅威は中国だ。
中国は「世界の工場」として経済を発展させ、得た資金を使って軍備の増強を強烈な速度ですすめ、まもなくアメリカを打ち負かす事のできるくらいの軍備を持つようになる。
中国の最新軍備はアメリカよりも相当進んでいる。たとえばアメリカの核ミサイルの大部分は基地のような固定した発射台からしか発射できないが、中国のミサイルは潜水艦から発射できる新世代のものだ。潜水艦が太平洋を潜航してアメリカ本土の射程内まで移動できればニューヨークでもロサンゼルスでも核攻撃の対象にできる。
そのためには中国から太平洋に自由に出られるようにしたいわけで、そのために一番いいのは、中間に立ちはだかる日本がアメリカとの関係を絶って中国寄りになること。日本全部は無理でも沖縄だけでも独立して中国寄りの国になれば、沖縄沖を通って太平洋に出ていくことができる。
中国にこれだけの力を与えてしまったのはクリントン政権が中国がWTO入りするのを後押ししたからだ。当時のクリントン政権は、中国を自由貿易勢力に取り込めば韓国やベトナムのように独裁制から脱皮して民主主義化すると考えていたのだ。これがすっかり読み違えだった。クリントン政権最大の失政がこれだったと言っても差し支えないかもしれない。
アメリカの「モノ」の貿易赤字は全体で7343億ドルであり、その47%にもあたる3470億ドルが対中国である。これだけでなく、さらなる覇権を求めて、アフリカや南米に支配を強めている。

アメリカから見れば、力を増す中国に対して日本が取りうる選択肢は3つある。

1)弱体化した、もしくは決断力に欠けるアメリカはもう日本を守ってくれないと判断し、自前の核兵器を開発して独自路線を模索する
2)弱体化した、もしくは決断力に欠けるアメリカはもう日本を守ってくれないと判断し、中国の覇権を受け入れて中国主導のアジア経済圏の一員となる
3)アメリカは、今後も日米安保条約に決められた義務を守り、日本に核の傘を提供し続けてくれるのだと信じ続け、通常戦力及びミサイル防衛能力を増強しつつ、アメリカやその他の同盟諸国との経済的結びつきを維持する

おそらく、多くの日本人は3)しかありえないと考えているだろうが、アメリカの戦略家からすると2)の「中国の覇権を受け入れる」というのが一番簡単で「どうして日本はそうしないのか理解に苦しむ」と言っている人さえいるのである。

ドナルド・トランプは大統領就任にあたってこのことをブリーフィングされて、日本人が望む3)が自分にとっても一番いい選択肢なのだという考えにかわったので、今回の共同宣言に至ったのだろう。
実はこの宣言の冒頭に「核及び通常戦力の双方によるあらゆる種類の米国の軍事力」とあるが、「核」という文字が入っているのが大変重要なのである。「核」というこの一文字は中国に当てたもので、「いつでも核兵器を使う準備はできているんだよ」と言いたいのだ。

こういうことが書いてある本がある。

米中もし戦わば
ピーター ナヴァロ
文藝春秋
2016-11-29


この本では、潜水艦からの核ミサイルのみならず、中国の兵器開発は恐ろしいことになっていることが記述されている。特に、中国は人工衛星から核兵器を狙った年に落とすことにできる技術を持っているとのことで、これがあれば人工衛星が通過できる都市が中国からどんなに遠くても直接核攻撃をすることができる。

そうはいっても、現状の中国はあるとあらゆる輸出入を船に頼っている。地続きのヨーロッパには鉄道やパイプラインを建設することで船以外の手段を取ることもできるが、南北アメリカとの貿易にはどうしても船が必要だ。

20170214_Asia
(『米中もし戦わば』より)
 
アメリカから見れば、日本は中国との間の壁なのである。この日本が変に中国に寝返らないようにするのが、目下非常に重要なことなのである。

この本は、あくまで地政学の本である。推理小説のようにも読める。でも、日本というのは、いまやそういう立地にある、いつ災害が来て国全体が崩壊するかもしれない危うい国であることを理解することはできると思う。

2017/01/06(金) 晴れ 通勤電車で新聞を読むスキルが落ちているように感じる

おかげさまで朝の通勤ラッシュの時間帯に電車に乗らなくてはいけないのは週に1回か2回という恵まれた生活を送らせてもらっている。この時間帯に電車を利用するにしても、利用している高島平駅からは始発電車が出るので、シートに座って楽に移動させてもらっている。今日はその朝のラッシュ時間帯に電車に乗る日だった。

20170106_ManinDensha

なんか電車の中で小競り合いをしているようなのでふと目を上げると、30代のサラリーマン風の男が立って新聞を読んでおり、この新聞の下端がシートに座っている人が見ているスマートフォンに当たりまくっているので、座っている方が注意をした模様。
立っている方はふてくされた表情をしてはいたが、その場は荒れずにしばらく経った。

何駅かすると、この立っている男の立ち位置がズレて私の前になった。
確かに注意したくなるわ。電車がちょっと揺れるたびにこの男の新聞がスマートフォンにバシバシ当たる。
 
私もさっきの人同様に注意したりすると場が荒れそうな気配だったので、スマートフォンを見るのは諦めて、しばらく車内の様子を見ていた。同じようなことは車内いたるところで繰り広げられている。
ドアの際の席の人には、ドアのところに立っている女性の長い髪の毛がふわふわ当たっているようで、時々うるさそうに払いのけるのだが女の人は気づいていないのか、気づかないふりをしているのか……。
私と同じように新聞がスマートフォンに当たっている人がもう一人いた。
なんか、電車の中で新聞を読むスキルが落ちているのかもしれないね。
そもそも、30代くらいで電車の中で新聞を読んでいる人はとても少ない。彼らも団塊の世代同様、新聞をタテに二つ折りにして、のぞきこむように読んでいる。これは同じ。でも、タテは新聞の長さのままなのだ。これだと、新聞の一番上を読む時、ちょうど座っている人のスマートフォンや本にぶつかる高さになる。
10年20年前のお父さんたちは、新聞のヨコ半分のところでも、ちょちょいとちょっと折り曲げて読んでいたような気がする。

朝の通勤時間帯は、一日でいちばん他人と密着している時間だ。
今時珍しい新聞をここで読むんなら、読むで人に迷惑をかけないスキルを身につけた方が良さそうだね。なにせ、乗客同士のトラブルで電車がバンバン遅れているのだからね。

2016/12/19(月) 晴れ 運送業者の駐車違反の例外措置を考えてあげたほうがいいと思う

佐川急便の運転手たちが業務中に駐車違反をし、これに身代わりを立てていたことが問題となり、とうとう逮捕者まででることになってしまった。

佐川急便係長ら6人を逮捕、駐車違反逃れ容疑 【日本経済新聞】

駐車違反はいけないことだけれども、これだけeコマースが一般化し、買ったものは宅配業者が自宅まで届けてくれる世の中になったのだから、法の例外措置を考えてあげる時期になったような気がする。

20161219_Sagawa

赤坂の街に出ると、そこかしこに佐川急便のトラックが駐車している。全車きっちりと車止めをしてクルマが動かないように固定してる。もちろん、この間ドライバーは配達しているのだから駐車状態。都内全域は駐車禁止であるから、これは違法行為である。
しかし、ここまで物流にみんながお金を出さなくなってしまい、なおかつインターネットで物を買うようになったので、宅配便の利用量は増えるが売上は上がらない状態。これでは、配達中にクルマに残って駐車違反状態でなくするというのは無理な話である。

広告会社の宅配便会社の担当の人と話す機会があって、今回「なんでクロネコヤマトは問題にならないけど佐川急便は問題になるのか」教えてもらった。
東京都内、特に都心部に関してはクロネコヤマトは丁目に一つの割合で集配基地をもち、集配はクルマを使わずにここから台車で運ぶような体制が整っているのだそうである。業界二位の佐川急便も「ステーション」と称する同じような施設を整えようとはしているのだが、とてもじゃないが増える荷物には追いつかない。そこで、2t車に積み込んで、これを倉庫兼基地とせざるを得ないのだそうである。
いくらなんでも、こういう状況の会社をいじめるのはかわいそうである。
いま「駐車」として法規制の対象となっている違反行為を、宅配業者に限り緩和する措置を検討はできないのだろうか?
今はもうその時期のような気がする。
 
livedoor プロフィール

dennis_jp

記事検索
  • ライブドアブログ